WORKING

人材育成のための5つのワーキング活動

平成22年度活動報告

実施体制

4月から新規に専任看護師1名を増員配置し事業推進体制を強化した。プロジェクトを推進するにあたり、週1回のスペシャルプロジェクトワーキンググループ(SPWG)で、具体的タイムスケジュールの検討、取組みの方向性や実施内容の素案作成・検討、進捗状況を確認した上で、月1回開催されるプログラム推進WGにおいて保健学科教員とともに、プログラム開発を行った。プロジェクトの取組みは、看護キャリアシステム運営実行委員会において、学問的視点からの分析や検討について助言を得てプログラム開発を推進させるPDCAサイクルを繰り返すことで、事業計画、目的に沿ったプログラム開発を推進させた。また、看護キャリアシステム運営実行委員会と評価委員会を合同で開催し、内外の委員より事業取組み評価を受けた。

プログラム開発

1.静脈注射教育プログラム

平成21年度の実施結果や評価をもとに、静脈注射認定看護師(IVナース)の育成プログラムを継続実施した。平成22年度は、静脈注射教育プログラム「講義」を年2回(合計393名受講)、「実技演習」を年3回(合計125名参加)、「筆記試験」を再試験を含め、年3回(合計526名受験)実施した。
平成22年度は要望の高かった筆記試験対策用の学習教材として、新たに講義内容のeラーニングコンテンツ化、模擬試験問題を開発し、九州大学Web学習システムで提供した。開発したeラーニング教材は、プログラム受講者の9割近くに活用されている。
平成22年度は、IVナース育成対象826名中545名が認定を取得し、年度目標60%を超える66.0%のIVナースを育成した。

講義

実技演習

実技演習

実技演習 バーチャルⅣ

2.医療機器操作強化プログラム

平成20年度と21年度に提出された院内のインシデントレポート報告の中から、特定の医療機器(輸液ポンプ、シリンジポンプ、人工呼吸器等)に関するレポート内容について、報告件数、ME機器の種類、発生時期、時間帯、報告者の職種及び経験年数、発生時間帯、発生状況、発生要因、インシデントの結果について分析を行った。この結果をもとに、「過量投与をなくす」方策を探り、プログラム開発を進める予定である。

輸液ポンプ

シリンジポンプ

3.新人看護師育成プログラム

従来より実施している「新人看護職員教育プログラム」の年間集合研修を、「職務に対するモチベーションアップを目的としたストレス対処法の学習、同期との情報共有、励ましの時間を共有できるフォローアップ研修」と「看護技術演習」とに区別した上で、年間で分散した研修へと変更、実施した。集合研修では、本プロジェクトで新たにシミュレーターを整備したことにより、「経管栄養」、「膀胱内留置カテーテル挿入と管理」、「導尿」、「吸引」、「CVC挿入・管理」、「静脈内注射、点滴静脈内注射」の看護技術演習について、シミュレーターを活用した演習を研修内容に組み込み、看護技術修得の補完を行った。その結果、平成21年度の新卒看護職員の6か月後、12か月後の看護技術修得度と比較して、平成22年度の新卒看護職員の看護技術修得が向上する傾向がみられた。
多重課題・時間切迫に対応できる優先順位や安全なケアを実践するための判断力を育成するためにシミュレーション研修を平成22年11月に実施した。平成22年度は、6月から専属インストラクターによる看護技術自主演習(平成23年度より『シミュレーショントレーニング』と呼称変更)をスタートさせた。週3日(月・水・金)の10時から17時の間で、7つの看護領域別のコースを準備した上で提供した。看護技術自主演習では、専属インストラクターの培ってきた看護実践経験と学会や研修会で学んだ指導方法等知識を融合させ、指導を行い、延べ54名が自主演習に参加、総演習項目118項目を提供した。新人看護職員の振り返り学習用に、eラーニング教材として57件の研修内容をコンテンツ化し、提供した。

シミュレーション・トレーニング

eラーニングコンテンツ

4.実習指導要項開発プログラム

平成22年度は「当院を実習病院とする九州大学医学部保健学科看護学専攻及び他大学の教育カリキュラムに基づき実習内容及び実習指導に関する事項について研究討議し、併せて実習指導者の相互の研鑽により資質の向上を図ること」を目的とし「実習指導者会議」を新たに設置した。病院の看護部、教育担当の看護師長や副看護師長、各看護単位より選出された実習指導者、保健学科教員など総勢39名で構成され、毎月第4金曜日に開催しており、22年度は予定通りに計9回を開催した。当院における臨地実習指導の現状と課題を明確にすることを目的に「臨地実習における実習指導能力育成プログラム開発にむけての基礎的研究」として2つの調査(アンケート調査、インタビュー調査)を実施した。

5.実習指導者育成プログラム

実習指導者育成として、福岡県主催の実習指導者講習会に実習指導者を参加させ、指導者としての教養、素養を養っている。しかし、前述講習会は参加人数が限定されているため、保健学科看護学専攻教員、教育学部教員と連携のもと、院内実習指導者研修会を開催している。

平成21年度は、月1回90分間の講義形式で提供していたが、参加者からの研修評価をもとに、平成22年度は、2か月に1回180分間の研修時間を設け、研修内容は講義と研修参加者によるグループワークとで構成した。
研修参加により、参加者の実習指導に対する「不安感の減少」「必要能力理解」「指導者役割の重要性」の認識が有意に高くなった。

また、研修講義内容に関する9項目についての知識は、全項目有意に理解度が高まっており、知識習得ができている。
実習指導者として役割を担う上での認識や知識の向上に寄与するプログラムとなっている。

講義

先輩の体験談

キャリアパス構築

平成22年度は、当院におけるナビゲーションシステムを開発する準備段階として、2名の副看護部長、6名の看護師長、2名の副看護師長から構成されたナビゲーション開発WGを新たに立ち上げ、1回/月でWGを実施した。22年5月のWG立ち上げから23年2月まで合計10回のWGを開催し、現在、個別に管理運用している総務関連の職員基本情報や、教育関連の研修申込、看護技術チェック、クリニカルラダーなどの現状と課題を明確にし、システム管理を導入した際に必要な機能、情報を整理、共有化し、システム開発の基本的仕様をまとめた。

キャリアパス構築イメージ図

キャリアパスナビゲーションシステム

人事交流

平成22年度人事交流では、a.)修士修了の副看護師長1名を1年間保健学科へ人事交流。b.)特定の資格を持つ保健学科教員によるリンパ浮腫外来での看護ケア提供、c.)保健学科教員の専門分野でのブラッシュアップ研修を実施した。

a.)副看護師長の1年間の人事交流では、保健学科教員の立案した年間スケジュールに沿って、13科目223.5時間の講義・演習へTAとして参画し、学生指導にあたった。また、保健学科看護学専攻1年生を対象とした「成人看護学概論"生活ストレスと看護(3)″」の授業計画を立案し、講義を担当した。看護学臨地実習では、保健学科教員とともに臨地実習指導・助言にあたった。

b.)特定の資格を持つ保健学科教員によるリンパ浮腫外来では、22年10月より毎週火曜日にセラピストの資格をもつ保健学科教員が、リンパ浮腫外来にて臨床看護師とともに、看護ケアにあたった。

c.)保健学科教員の専門分野でのブラッシュアップ研修では、臨床看護学講座教員2名と発達看護学講座教員1名、合計3名がそれぞれ、CCU、移植対策室・外来、外来科学療法室に2〜4日間の研修を実施した。

看護部⇒保健学科

保健学科⇒看護部

教育指導者

教育指導者の養成を目指し、看護部から保健学科への1年間の人事交流を実施した。平成22年度より、看護部と保健学科の看護教育に関する円滑な連携 を図り、 看護学生の教育の質ならびに臨床看護の質向上を目的に「看護教育運営委員会」を設置し、連携した教育体制を整備した。

その他

1.講演会・交流会開催

平成22年12月18日に「看護職のキャリアアップ支援を考える」をテーマに、「看護職の現在と未来」と題し講演及び本プロジェクトの取組 み実践報告会「看護実践力ブロッサム開花プロジェクト講演会」を開催し、広く本プロジェクトの取組みを広報するとともに、看護職従事者を取り巻く現状の情 報共有の機会を地域の病院、看護職従事者に提供するとともに、看護職のキャリアアップについて意見交換した。
講演会終了後、参加した5つの採択大学が集まり、プロジェクト進捗状況等について意見交換する機会をもった。

2.プロジェクト活動広報のためのホームページ更新

平成22年3月に立ち上げ、公開した当プロジェクト専用ホームページの一部改訂を行い、公開した。ホームページの内容は、プロジェクトの取 組み内容や概要説明に留まらず、実施しているプロジェクトの取組み内容を写真や実施報告とともに、随時更新・公開を行い、九州大学病院看護部として取り組 んでいる内容が分かりやすいように工夫を加えた広報活動を行った。また、当プロジェクトで開発したeラーニング教材を提供している「九州大学Web学習シ ステム」を当ホームページにリンクさせ、利用者の利便性を高めた。
「看護技術自主演習」の月別スケジュールなども毎月の新着情報として更新し、交代制勤務で一同に全職員を集合させ、情報共有が困難な看護職員が自由な時間、場所からアクセスすることができるよう環境を整備した。

3.学会での報告・発表活動

平成22年度は、当プロジェクトで実施している各取組み事業の進捗状況やプログラム開発の内容を広く情報発信し、学会での有識者や研究者との意見交換を通じて、プログラムの課題や精度を向上させることを目的に学会等で発表を行った。
文部科学省大学改革推進事業「看護師の人材養成システムの確立」で九州大学病院看護部が「看護実践力ブロッサム開花プロジェクト」に取り組んでいることを次の学会・シンポジウムで報告した。

  • 国際大学戦略セミナー2010
  • 日本看護学教育学会第20回学術集会交流集会
  • 平成22年度大学教育改革プログラム合同フォーラム
  • 平成22年度京都府立医科大学看護研究交流会
  • Q-Conference2010 ポスターセッション

また、当プロジェクトの各取組み事業のプログラム内容を次の学会等で発表した。

  • 第7回M&S医学教育研究会学術大会(新人看護師育成プログラムについて)
  • 第5回医療系大学eラーニング全国交流会(IVナース育成プログラムについて

講演会

第5回医療系大学eラーニング全国交流会

平成22年度看護実践力ブロッサム開花プロジェクト活動報告書

人材育成のための活動内容

             

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